コラム

下がり腸とは?

下がり腸(落下腸)とは

下腹だけポッコリ出ているという方、多いのではないでしょうか?

ポッコリお腹の原因は脂肪だけではありません。実はお腹の中にある腸の状態が大きく関係しています。

腸内洗浄を受けに来る方の中でも、下腹がポッコリ出ていることに悩んでいる女性がとても多く見受けられます。

今回は下腹がぽっこりと出ている下がり腸について解説します。

腸の形と正しい位置

腸は小腸と大腸に分かれます。小腸は直径3~4センチ、長さが6~7メートル、大腸は直径5~7センチ、長さが1.2~1.5メートルの管です。

大腸は、上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸がお腹の中で四角い形になっており、小腸をグルリと囲む形で腸間膜に覆われています。

大腸の腸管形態では、上行結腸と下行結腸は後腹膜に固定されており、横行結腸やS状結腸は固定されず、腸間膜の中で吊り橋のようにぶら下がっています。

 

 

腸のどこが下がるのか?

腸の中でも下がりやすい場所は、吊り橋のように体を横断している横行結腸と、下腹部に位置し固形便がたまるS状結腸です。

また、小腸の手前にある十二指腸は後腹膜に固定されていますが、小腸は腸間膜の中にあるため、大腸が下がると小腸も丸ごと下がってしまいます。

横行結腸が下がる

横行結腸が下がると、おへそから下がポッコリと出てきます。

小腸と大腸全体が下がると、下腹にダチョウの卵でも入っているかのようにポッコリと硬い張りがでてきます。

S状結腸が下がる

また、腸内洗浄を受けにくる下腹ポッコリで最も多いのが、S状結腸の下がっている方です。

S状結腸は固形便がたまる部位ですが、体に固定されていないため、腸の動きが悪くなり便がたまってくると骨盤底にダランと垂れ下がってしまいます。

S状結腸の落下は外見だけでは判断が難しく、腹部レントゲン撮影や、腸内洗浄で結腸内に実際にお湯を入れる際に判明します。

下がり腸の原因

食べないダイエットや欠食が続くことで腸の動きが悪くなり下がる

座りっぱなしの姿勢が多く運動不足により腹圧が低下し腸が下がる

刺激性下剤を慢性的に使うことで、腸が伸びて下がる

加齢による老化で腸が伸びて下がる

生まれつき腸が長い

下がり腸のセルフチェックテスト

□下っ腹が出ている。

□お腹にガスがたまりやすい。

□いつもおならが臭い。

□排便後のスッキリ感がない。

□コロコロ便が出ることが多い。

□下半身のむくみが取れない

□おへその形が横に長い。

□子供の頃から便秘だった。

□運動をやめると便秘がちになる。

5つ以上あてはまると、下がり腸の可能性大!

下がり腸の症状

腸が下がることで腸の曲がり角が急カーブになると、便が通過しずらくなり腸の曲がり角に便が溜まりやすくなります。

その結果、以下のような悪循環が起こります。

腸の動きが悪くなる → 腸が下がる → 腸の曲がり角に便がたまる → ますます腸の動きが悪くなる

下がり腸が原因の便秘は、腸によい食物繊維や発酵食品などを食べても、なかなか便通が改善しません。

下がり腸のケア

食事編

よく噛んでゆっくり食べる

食物繊維を多く含む食品を噛まずに飲み込むと、腸の中に食物が停滞しやすくなります。

しっかりと咀しゃくをして食物が細かくなると、胃腸への負担が軽減され食べた物が通過しやすくなります。

腹八分目で食べる

食べ過ぎは消化不良の原因となり、お腹の張りやガス腹の原因にもなります。

「もう少し食べたいな」という量に調整しましょう。

早めに夕食を食べる

寝る5時間以上前に腹八分目で食べることをお勧めします。

胃を空っぽにして寝ると、夜中に腸をそうじする動きが高まり、大腸で便が作られやすくなります。

朝食を食べる

長い空腹の後に食事が胃の中に入ることで、便がたまっているS状結腸が一気に動きやすくなり、排便がスムーズになります。

運動編

体ねじり

体をねじることで腸に刺激が届き、腸の動きが促されます。

【方法】

1.足を肩幅に開き、肩の力を抜いて真っすぐに立つ。

2.体をねじりながら、腕を体に巻きつける。

※腕は脱力したまま体をねじる反動で、腕が体に巻き付いていくことを感じる

3.反対側にも同じように体をねじりながら、体に腕を巻き付ける。

※20~30回行う。

うつぶせ腰ゆらし

うつぶせになり腰をゆらゆらとゆらすことで、腹圧が上がり腸がほぐれやすくなります。

【方法】

1.うつ伏せに寝て脚を肩幅に開く

2.体の力を抜いて腰を左右にゆらゆらとゆらす

※2~3分ゆらす

腸マッサージ編

腸の引き上げマッサージ

逆転系の姿勢になりお腹をマッサージすることで、腸がほぐれやすくなります。

【方法】

1.仰向けに寝て両ひざを立て、足を肩幅に開く。

2.息を吸いながら腰を持ち上げる。

3.息を吐きながら恥骨からおへそまで、手でえぐるように引き上げる。

※呼吸を繰り返しながら、3~5回引き上げる

※腸をすくい上げるイメージで行う

トイレでする腸マッサージ

下がっている横行結腸とS状結腸に同時に刺激を与えることで、便が出やすくなります。

下腹プッシュ腸マッサージ

【方法】

1.こぶしを下腹の真ん中におく。。

※太ももの少し上のお腹

2. そのまま上半身を前に倒し、5秒間キープ。

※呼吸は自然に行う

3.そのまま上半身を前に倒し、5秒間キープ。

※これで1セット。3回繰り返す

このコラムの執筆者

齊藤 早苗(サイトウ サナエ) コロンハイドロセラピスト・看護師・インナー美人アドバイザ-

看護師として大学病院などに勤務後、2000年に米国で腸内洗浄(コロンハイドロセラピー)の研修を受け、国際ライセンスを取得。
21,000人以上のガンコな便秘やぽっこりお腹に悩む女性に腸内洗浄を施しながら腸ヘルスケアの指導を行う。また、腸の健康推進や腸もみマッサージ指導などの啓発活動として、セミナーや講演、雑誌、TV、WEBなどのメディア取材にも応じる。日経ヘルスにて連載した「おなかのきもち」は8年間の長期連載を記録。
著書:美女になる腸トレ、美腸やせなど多数。早稲田大学卒業。「便秘による心身症状の認知行動療法」を研究中、日本心身医学会にて原著論文採択。コロンハイドロセラピスト歴21年、健康カウンセラー歴18年 。

・国際コロンハイドロセラピー協会会員
・日本心身医学会会員
・日本心理学会会員

齊藤早苗公式サイト https://www.saito-sanae.com/

注目の記事

オンラインで予約する<事前決済がお得です> 03-6228-6532受付9:00~18:30

当院へのご予約はこちら