コラム

腸内洗浄って痛いの?

 

腸内洗浄という言葉を聞いたことがある方はとても多いと思います。

最近では芸能人の方が腸内洗浄を体験した様子がテレビなどで紹介され、一度やってみたいと興味を持たれる方も多くいらっしゃいます。

 

その反面、「腸内洗浄って痛いの?」「どんなことをするのかよくわからないので恐い!」という不安を持たれる方も多いのではないでしょうか?

当院にコロンハイドロセラピーを受けに来る方々からも「以前からずっと興味はあったんですが、恐くてなかなか予約できなかったんです……」との言葉が多数聞かれました。

そして、実際に腸内洗浄に来院するのに、ナント4~5年間以上かかる方がほとんどでした。

「腸内洗浄って痛いの?」について、お答えとして、ほとんどの場合に辛い痛みはありません。

 

今回は、医療機関で行われるコロンハイドロセラピー(腸内洗浄)中によく聞かれる痛み3つについて解説します。

1.管をお尻に入れるとき痛いのか?

・方法

・痛いときに考えられる理由

・対処法

2.大腸にお湯を入れるとき痛いのか?

・方法

・痛いときに考えられる理由

・対処法

3.便を出すときは痛いのか?

・方法

・痛いときに考えられる理由

・対処法

4.番外編:迷走反射刺激

 

 

腸内洗浄の何が痛いの?

管をお尻に入れるとき痛いのか?

 

通常の肛門であれば痛みは全くありませ

【方法】

管を入れる前に、肛門のコンディションを肛門診にてチェックします。

セラピストがグローブを装着し、ワセリンをたっぷりとつけた指を肛門に入れ

3~5cmほど指を挿入し、肛門や直腸にイボのような脹らみがないか触診します。

異常がなければ、直径は1.8cmの管を4~6cm直腸に挿入します。

肛門が開くことのできる大きさは3.5cmほどですので、管を挿入する際に痛みはありません。

 

痛い場合に考えられる理由

管を入れるときに肛門が痛い場合、以下のような原因が考えられます。

いぼ痔

肛門の内や外に血管がいぼ状に膨らんだ状態です。いぼ痔の場合、管の挿入時にほとんど痛みはありません。

 

切れ痔

肛門の表面に亀裂が入ったりただれることが原因で、肛門周囲に傷ができている状態です。管を挿入するときに肛門を押し広げられる感覚が出る場合があります。

重度の切れ痔の場合、まれにヒリヒリとした痛みが出ることがあります。

がまんができないほど痛みが強い場合は施術を中止し、肛門科受診をお勧めすることがあります。

 

肛門狭窄

切れ痔を繰り返すうちに肛門の伸縮性が悪くなり肛門が広がりにくくなる、下痢便・軟便が多いことで肛門の伸縮性が低下するなどが原因で、肛門が狭くなり管が入りにくくなります。

肛門が開くことのできる大きさは、3.5cmほどと言われています。しかし、狭窄が悪化すると肛門が鉛筆の太さくらいまでしか広がらず、通常の肛門診で行う人差し指さえも入らなくなります。

肛門診ができないほど、肛門狭窄が進行している場合は施術を中止し、肛門科受診をお勧めすることがあります。

 

痔ろう

肛門の中にある肛門陰窩という小さい穴から細菌が侵入し、肛門腺の中で化膿することで起こります。体は膿を排出するための出口を肛門周囲の皮膚に作ります。

その結果、肛門と皮膚の間にトンネルができこれが痔ろうの症状です。

痔ろうは下痢便の方に多く、免疫力が低下したことをきっかけに起こることが知られています。

痔ろうの場合は施術を中止し、肛門科受診をお勧めします。

 

【対処法】

コロコロとした硬い便や、泥状の便にならないよう、便の形状を整えましょう。

偏食や欠食をしないよう食事法を見直しましょう。

痔の外用薬を使うなどして、肛門の炎症を改善しましょう。

 

 

お湯を大腸に入れるとき痛いのか?

通常の場合、お湯の注入時に痛みはありません。

【方法】

肛門に管を入れお湯が38℃前後に温まったら、専用の医療機器を使ってゆっくりと大腸にお湯を注入していきます。

お湯の注入が始まると、便意をもよおしたりお腹が張る感覚を感じますが、不快な痛みなどはありません。

 

痛い場合に考えられる理由

自律神経のバランスが乱れたり、腸が過敏になっている場合、お湯の注入時に下痢の時のようなけいれん性の痛みを感じることがあります。

夜更かしによる睡眠不足や昼夜逆転の生活が続いている
ストレスフルの生活が続いている
ダイエットや摂食障害などで、食事量が著しく少ない
下剤や便秘薬を使い過ぎている

 

【対処法】

規則正しい生活習慣を実行して、自律神経のバランスを整えましょう。

ストレス解消には、軽く汗を流すような運動や呼吸法なども有効です。

 

 

便を出すときは痛いのか?

通常の場合、苦痛を伴うような激しい腹痛はありません。

大腸内の奥までお湯を満たすことで腸内の圧力が上がり、お腹のマッサージを行うことで腸が刺激されると、大腸は自分で動いて腸内の内容物を肛門の方に送り出してゆきます。

お湯はフィルターで浄化された温水で、下剤や化学物質などは一切使用していません。自然に大腸のぜん動運動を高めてゆきます。

自分の大腸の動く力を使って排泄していくので、自分の大腸の動く実力以上に激しく大腸が動かされることはありません。

直腸からS状結腸付近が動くと便意を感じ、徐々に便意が高まり、強い便意とともに排泄が促されます。

一方、自分の大腸の動く力を使って洗浄するので、便秘や大腸の動きが弱っている場合には思ったほど大腸が動かず、痛みはないけれどスッキリと洗浄できない場合があります。

 

痛い場合に考えられる理由

腸が過敏になってけいれん性の動きが出たときに、お腹が痛くなることがあります。

横行結腸(体を横断している大腸)が動くと、軽い下痢のような痛みがあります。

大腸全体が動いて便を送り出そうとしているのに直腸の排便反射が弱く、なかなか便が出せない時もお腹が痛くなることがあります。

その場合、当院では一旦管を抜きトイレで排泄していただくことで、苦痛を最小限におさえる対応をしております。

 

 

番外編

迷走神経反射が現れたとき

腸の内容物が排泄されることで迷走神経が刺激され、血圧や脈拍の低下、めまいの症状があらわれることがあります。

当院では、腸内洗浄中3,000~5,000人に1人の割合で見受けられます。

迷走神経反射が起こりやすい方は、以前にも排便時に気を失った経験があります。

そのような経験のある場合は、腸内洗浄の前に医療機関に申告しましょう。

 

このコラムの執筆者

齊藤 早苗(サイトウ サナエ) コロンハイドロセラピスト・看護師・インナー美人アドバイザ-

看護師として大学病院などに勤務後、2000年に米国で腸内洗浄(コロンハイドロセラピー)の研修を受け、国際ライセンスを取得。
21,000人以上のガンコな便秘やぽっこりお腹に悩む女性に腸内洗浄を施しながら腸ヘルスケアの指導を行う。また、腸の健康推進や腸もみマッサージ指導などの啓発活動として、セミナーや講演、雑誌、TV、WEBなどのメディア取材にも応じる。日経ヘルスにて連載した「おなかのきもち」は8年間の長期連載を記録。
著書:美女になる腸トレ、美腸やせなど多数。早稲田大学卒業。「便秘による心身症状の認知行動療法」を研究中、日本心身医学会にて原著論文採択。コロンハイドロセラピスト歴21年、健康カウンセラー歴18年 。

・国際コロンハイドロセラピー協会会員
・日本心身医学会会員
・日本心理学会会員

齊藤早苗公式サイト https://www.saito-sanae.com/

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