コラム

腸を見れば自分の体の状態がここまでわかる

当院では、腸に何らかの違和感があってご来院される方が多いです。

具体的には「最近おなかが出てきた、張っているような感じがする」いわゆる「ポッコリお腹」で腸を意識される方も多くいると思います。

 

今回は腸という観点から、自分の身体の状態を知っていく手掛かりについてお話します。

 

<目次>

  1. ダイエットの大敵!ポッコリお腹の原因は、脂肪だけではない!
  2. お腹の張りや腸内ガスの原因
  3. おならの悩み
  4. 腸内ガスやおならを減らす生活習慣
  5. 腸内ガスやおならを改善する腸内洗浄法

ダイエットの大敵!ポッコリお腹の原因は、脂肪だけではない!

腸内のガスも一因に

食後にお腹が出るのは自然のことです。

しかし、そうでないのにお腹が張ってポッコリ出ている人は、腸内にガスが溜まっているのかもしれません。

 

排便後にスッキリ感がない、お通じが出てもお腹が重く感じるときは、腸内にガスが溜まりやすくなります。

 

腸内ガスのほとんどは体内に吸収されますが、吸収されなかった腸内ガスはおならとして便と一緒に体外に排出されます。

腸の動きが弱まると

でも、腸の動きが弱ると、体内に吸収されるガスの量が減るばかりでなくおならも出づらくなるため、ポッコリとお腹が出る、お腹が張って苦しい、などの原因となります。

おならの主成分は実は無臭!

腸内で作られるガスの量は400~2000ml、おならの回数は1日平均10~20回と言われています。

おならの成分の99%はメタンガスや窒素や水素などで、においはほとんどありません。

おならが臭い、おならが多い人は、腸が汚れているサインなのかもしれませんね。

お腹の張りや腸内ガスの原因

口から飲み込んだ空気

私たちは食事をするときに、一緒に空気も飲み込んでいます。

 

特に早食いの方は、要注意!

食べ物と一緒に空気を飲み込みやすく、腸内ガスの多くはこの飲み込んでしまった空気と考えられています。

腸内細菌が食物を分解するときに発生するガス

腸内には約100~500種類、約100兆個、重さにすると約1.5㎏もの腸内細菌が住みついています。

 

腸内細菌は、私たちが食べた食物をエサにして生きています。

腸内細菌が食物を分解する際に発生するガスには、メタンガスや窒素や水素、硫化水素、二酸化硫黄、二硫化炭素、インドール、アンモニア、スカトール、フェノールなどがあります。

下がり腸や便秘

ほとんどの腸内ガスは体内に吸収されますが、腸の動きが弱くなるとガスの吸収が十分にできなくなります。腸の形が変形して、ねじれたり下がったりして骨盤底に垂れ下がると、腸の動きが悪くなりガスが溜まりやすくなります。また、便秘により腸内に古い便が滞留すると、腸内で有害なガスが発生します。

消化不良により発生するガス

胃炎や早食いなどにより胃の消化能力が低下することでお腹が張ってきます。

また、消化不良が起こり胃や腸にガスが発生します。

ストレス

腸の動きと自律神経は密接な関係があります。

 

イライラや緊張や不安などの精神的なストレス(内的ストレス)や、寒暖差や騒音、化学物質など環境によるストレス(外的ストレス)などで自律神経の働きが乱れると、胃腸の動きが悪くなり腸内ガスが異常発生する原因となります。

胃腸の病気

呑気症

口呼吸が多い人や緊張のために奥歯をかみしめる癖のある人は、気づかないうちに空気を飲み込みやすく、これが腹満やおならの量が増える原因になります。

胃炎

胃の機能が低下するために、胃もたれ、胸やけ、胃痛、げっぷ、おならが増えるなどの症状が起こります。

過敏性腸症候群

精神的なストレスや落下腸のような腸の形状異常により、腸のぜん動運動が異常になり、腹痛を伴う下痢や便秘、または下痢と便秘を繰り返し、腸内ガスの異常発生の原因になります。

大腸がん

大腸がんにより大腸の内腔が狭くなると、便秘、下痢、腹痛、便柱が細い、音の出ないおならが増えるなどの症状が起こります。

おならの悩み

おならは、食事の時などに飲み込んだ空気や、腸内で発生したガスのほとんどは体に吸収されます。腸の動きが悪くなり腸内で吸収されなかった気体が肛門からおならとして排出されます。

おならが臭い

本来、おならの主成分であるメタンガスや窒素、水素などには、ほとんどにおいがありません。

おならの成分に約1%含まれる硫化水素、二酸化硫黄、二硫化炭素、インドール、アンモニア、スカトール、フェノールが腐敗臭をともなった臭いおならの原因となります。

 

肉や脂肪の取り過ぎは腸内の悪玉菌が増え、悪臭を伴う有害ガスを発生させる原因となります。

 

また、ニンニク・ニラ・ネギ類(硫化アリル)、キャベツ、大根、カリフラワー、ブロッコリー(イソチオシネート)など、硫黄化合物が含まれるにおい系の野菜も、臭いおならの原因となります。

おならの量や回数が多い

便秘がひどく今まで腸が動かなかった人が、おならの量や回数が増えるのは、腸の動きが改善してきている合図だといえます。

腸の動きがよくなると、腸内ガスを排出できるようになるからです。

 

逆にいつもは快便で排便後のスッキリ感がある人が、おならの量や回数が増えるのは、腸の動きが弱くなり腸内環境が悪化している合図です。

お腹の中でおならのような音がする

腸内ガスが腸内を移動したり、逆流したりする際に、お腹からおならのような音がすることがあります。

腸内ガスやおならを減らす生活習慣

ゆっくりとよく噛んでたべる

食べ物をひとくち口に入れたら20回噛んで食べましょう。

20回噛むことが難しいときは、1回で口に入れる食べ物の量を少なくしたり、10回はしっかり噛むよう意識しましょう。

じっくりと咀嚼することで、食物を細かくし唾液とよく混ぜることができるので、胃腸の負担を減らし消化しやすくなります。

食物繊維を摂りすぎない

食物繊維は善玉の腸内細菌を増やし、腸内をキレイに保ってくれます。

でも、食べ過ぎると腸内ガスが発生します。

自分にあった食物繊維の種類や量を見つけて、お腹が張らない程度にコントロールしながら食べましょう。

欠食をしない

規則的に食事をすることで、胃腸は消化液をスムーズに分泌することができ、消化吸収排泄のリズムが整います。

また、欠食をすると一度に食べ過ぎたり、早食いになる傾向がありますので注意しましょう。

 

おならのがまんをしない

おならのがまんをすると、腸の動きが悪くなり腸内ガスが溜まるだけでなく、お腹の張りや便秘の原因になります。

おならがしたくなるのは、腸が動いている合図です。

おならはがまんせずなるべく出してしまいましょう。

 

夜更かしをしない

夜更かしをすると自律神経の働きが乱れやすくなり、腸の動きが悪くなることでお腹の張りや腸内ガスを溜める原因となります。

 

自律神経には交感神経と副交感神経があり、夜は副交感神経が活発に働く時間。

この時に腸の動きも活発になり腸のそうじが行われます。

 

夜はなるべく0時前に就寝し腸が動きやすい環境を作ってあげましょう。

 

ストレスをためすぎない

ストレスは緊張や不安やイライラなどを引き起こし、自律神経の交感神経を刺激します。

交感神経は胃腸の動きや消化液の分泌を低下させます。

 

ぬるめのお風呂に入ったり、リラックスしたり、趣味などに没頭する時間を作るようにしましょう。

 

便秘や下痢をしない

便秘や下痢は腸内細菌のバランスが乱れ、腸内環境が乱れお腹の張りや腸内ガスを悪化させる原因となります。栄養バランスのよい食事を心がけましょう。

便秘改善には

食物繊維を意識して食べ便の材料を増やすことが効果的です。

下痢改善には

冷たいもの、刺激物、脂っぽいものをできるだけ控え、温かい食事を摂ることが効果的です。

運動やストレッチをする。

体を動かすと腸に刺激が伝わり、腸が動きやすくなります。

定期的な運動が難しい時は、仕事の帰りに一駅前で降りて歩く、シャワーだけでなく湯船につかる、軽いストレッチをする、腸マッサージをする、なども効果的です。

 

プロバイオティクスやプレバイオティクスを摂る

腸内の善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌、酪酸菌などのプロバイオティクスや、オリゴ糖や難消化でんぷん、水様性の食物繊維などを補充することで腸内環境が改善し、腸内ガスやおならが減ってきます。

腸内ガスやおならを改善する腸内洗浄法

腸内洗浄で腸内を一度リセットする

腸内に溜まった古い便や老廃物、腸内ガスを排出する即効性のある方法として、医療機関で行う腸内洗浄があります。

 

腸内洗浄とは、清潔な微温湯を大腸の奥まで送り、自分が本来持っている大腸のぜん動運動と直腸の排便反射を使い、大腸内の老廃物や腸内ガスを体外に排出する療法のことです。

 

腸を刺激するような薬剤を一切使用せず、自身の腸のぜん動運動を使い排泄を促すため腸に負担がかかりにくく、速やかな腸内ガスの排出が可能です。

 

腸内洗浄に興味はあるけれど、恐くて迷っている方も多いと思いますが、下剤よりもマイルドな刺激なので、通常の場合、辛い痛みはありません。

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腸内洗浄とは

腸内洗浄の目的

腸内洗浄の方法

このコラムの執筆者

齊藤 早苗(サイトウ サナエ) コロンハイドロセラピスト・看護師・インナー美人アドバイザ-

看護師として大学病院などに勤務後、2000年に米国で腸内洗浄(コロンハイドロセラピー)の研修を受け、国際ライセンスを取得。
21,000人以上のガンコな便秘やぽっこりお腹に悩む女性に腸内洗浄を施しながら腸ヘルスケアの指導を行う。また、腸の健康推進や腸もみマッサージ指導などの啓発活動として、セミナーや講演、雑誌、TV、WEBなどのメディア取材にも応じる。日経ヘルスにて連載した「おなかのきもち」は8年間の長期連載を記録。
著書:美女になる腸トレ、美腸やせなど多数。早稲田大学卒業。「便秘による心身症状の認知行動療法」を研究中、日本心身医学会にて原著論文採択。コロンハイドロセラピスト歴21年、健康カウンセラー歴18年 。

・国際コロンハイドロセラピー協会会員
・日本心身医学会会員
・日本心理学会会員

齊藤早苗公式サイト https://www.saito-sanae.com/

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