コラム

腸内洗浄の適応症と禁忌症

大腸内の古い便や老廃物を洗い流す【腸内洗浄】を受けてみたいけれど、

「どんな人が受けると有効なのか?」

「自分の悩みの解決に、腸内洗浄は合っているのか?」と、

腸内洗浄の受診を迷う方も大勢いるのではないでしょうか?

今回は、医療機関で行われるコロンハイドロセラピー(腸内洗浄)について、

受けてみた方がよい状態(適応症)や

受けない方がよい状態(禁忌症)について解説いたします。

1.適応症
原因
効果
2.禁忌症
3.その他

腸内洗浄(コロンハイドロセラピー)適応症

急性便秘

普段は順調に排便があるが、急に排便が滞る便秘のことです。

原因

旅行や引っ越し、就職、結婚など、急な環境の変化によって起こる場合が多いです。

自律神経や体内リズムの乱れにより、一時的に腸の動きが低下することで、便をスッキリと出せなくなります。

効果

結腸全体に温かいお湯を入れて腹腔内を温めたり、腸をほぐす手技を併用することで、自律神経の副交感神経が優位になります。

また、結腸の中の圧力を上げて結腸全体のぜん動運動を促すことで、一時的に弱っていた腸の動きを回復させることができます。

 

慢性便秘

大腸のぜん動や直腸の排便反射が低下し、慢性的に排便が滞る便秘のことです。

原因

全身の筋力低下、無理なダイエット、ホルモンバランスの乱れ、大腸の形状異常により、便を押し出す運動や反射が低下することで、便を出せなくなります。

もっと知りたい人はコチラ 慢性便秘の診断基準

効果

結腸全体に注湯し腸内圧を上げることにより、結腸のぜん動運動を高めることができます。

また、寝たまま排泄する姿勢により、直腸の※排便反射のトレー二ングができます。

※排便反射:お尻先に溜まった便を押し出し、体外に排出する動き

 

軟便・下痢症

1日3回以上、軟便や水様便が出る状態のことです。3週間以上、下痢が続いている場合は、慢性下痢症ととなります。

原因

消化不良や食あたり、ストレス、抗生物質など薬の副作用で起こることがあります。

 

効果

下痢を起こしている原因菌を洗い流す効果があります。

結腸のぜん動運動を正常に近づける手助けになります。

 

下痢を起こす疾患

炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎やクローン病、腸に異常がないにも関わらず便の形状が変化する過敏性腸症候群などがあります。

(注意)腸に重篤な疾患がある方や治療中の方は、主治医の許可が必要

低体温

医学的な低体温症とは、深部体温が35℃以下に陥った状態を示します。

健康な人では体温の恒常性を維持する機能があるため、通常の場合、深部体温が35℃以下になることは考えにくいでしょう。

体の表面温度の正常範囲は35.5℃~37.5℃といわれています。

脇の下など体の表面で計測した体温が35.5℃以下の場合、低体温の状態であるといわれています。

原因

内科疾患(心、呼吸、肝臓、腎、脳血管系、内分泌系、神経筋疾患、精神疾患、免疫疾患など)、高齢、薬剤、著しく寒い環境下にさらされる、などがあります。

効果

結腸全体に温かいお湯を注入することができるので、腹腔内から体全体を温めたり、血行を良くしたりすることができます。

 

腸カンジタ症

真菌の一種であるカンジタ菌が消化管内に増加し、消化器官や腸内の環境が悪くなることで炎症を起こす症状のことです。

原因

腸内環境が乱れることで起こることが知られています。カンジタ菌は常在菌のひとつで、健康な腸の中にも存在します。

しかし、抗生物質や胃薬など薬剤の連用や、免疫機能の低下、高脂質な食事などによりカンジタ菌が増えるといわれています。

効果

結腸内に増えすぎたカンジタ菌を洗い流し、腸内をリセットすることで、腸内環境を整える助けになります。

 

寄生虫症

原虫や蠕虫は人間(宿主)の体内に寄生して、宿主から栄養を奪い取って成長します。

また、アメーバ赤痢は、腹痛や血便、大腸炎を引き起こします。

原因

生の海産物や肉、家畜の糞を含む有機肥料で育った野菜を生で食べる、不衛生な環境の中汚染された飲食物を食べるなど、経口感染が最も多いです。

効果:結腸内に留まっている寄生虫を除去する手助けができます。

 

痔(初期~中期)

肛門の周囲にできる疾患で、いぼ痔、切れ痔、痔瘻などがあります。いぼ痔には肛門の内側にできる内痔と肛門の外にできる外痔があります。

原因

肛門周囲には、肛門の中心に静脈が蜘蛛の巣のように張り巡らされています(静脈叢)。

いぼ痔

は便秘で力み過ぎる、長時間座りっぱなしなど、肛門周囲に圧力が加わることで、静脈がこぶ状に膨らむことで起こります。

切れ痔

下痢や硬い便が出る際に、肛門の出口に負担がかかり、切れてしまうことで起こります。

効果

直腸や肛門に悲嘆をかけず、便の除去ができます。

直腸や肛門周囲を温めるので、肛門周囲の静脈叢の血行改善により痔の改善が期待できます。

胃バリウム検査の後

検査のために飲用したバリウムは、消化管の動きが弱いと腸管内の残って固まりやすくなります。

効果

結腸全体を洗うことで、残っているバリウムを除去することができます。

大腸検査の前後

重度の便秘の場合、大腸内視鏡検査の前処置で使用する緩下剤が効かず、結腸内に糞塊が残って検査ができないことがあります。

効果

検査前に数回行うことで結腸内の滞留便を洗い流したり、検査前の下剤の効果を高まることができます。

大腸のバリウム検査後に、結腸内の滞留しているバリウムを洗い流すことができます。

大腸疾患の予防

効果

腸カンジタなど、結腸内で異常増殖した細菌やウイルス、増えすぎた悪玉腸内細菌など、炎症を引き起こす原因物質を洗い流すことで、症状の緩和が期待できます。

手術前処置など

効果

結腸内の滞留便を洗い流すことができます。

コロンハイドロセラピー禁忌(腸内洗浄ができない方)

高血圧症(血圧190㎜Hg以上)

腹部大動脈瘤

心不全(水分制限をしている方)

痛みを伴う重度の痔核(腫れ、炎症、感染あり、切れ痔、痔瘻)

腸切除後6ヶ月

そけいヘルニア

重度の貧血

妊産婦

大腸がん

肝硬変・肝がん

腎不全

呼吸不全

摂食障害

その他

現在治療中の方は、疾患や治療内容により主治医許可証が必要な場合や、施術ができない場合があります。

※他にも症状のある方やご心配な方は、お電話にてあらかじめご相談ください。

このコラムの執筆者

齊藤 早苗(サイトウ サナエ) コロンハイドロセラピスト・看護師・インナー美人アドバイザ-

看護師として大学病院などに勤務後、2000年に米国で腸内洗浄(コロンハイドロセラピー)の研修を受け、国際ライセンスを取得。
21,000人以上のガンコな便秘やぽっこりお腹に悩む女性に腸内洗浄を施しながら腸ヘルスケアの指導を行う。また、腸の健康推進や腸もみマッサージ指導などの啓発活動として、セミナーや講演、雑誌、TV、WEBなどのメディア取材にも応じる。日経ヘルスにて連載した「おなかのきもち」は8年間の長期連載を記録。
著書:美女になる腸トレ、美腸やせなど多数。早稲田大学卒業。「便秘による心身症状の認知行動療法」を研究中、日本心身医学会にて原著論文採択。コロンハイドロセラピスト歴21年、健康カウンセラー歴18年 。

・国際コロンハイドロセラピー協会会員
・日本心身医学会会員
・日本心理学会会員

齊藤早苗公式サイト https://www.saito-sanae.com/

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